【12⽉15⽇ Peopleʼs Daily】人工知能(AI)技術とその応用が急速に発展している。しかしAIの急発展はリスクも伴うとして、その複雑な影響が国際社会の注目と議論を呼んでいる。中国は10月、AIの発展や安全、管理についての建設的な解決構想を示す「グローバルAIガバナンス・イニシアチブ」(以下、「イニシアチブ」)を発表した。

 中国はイニシアチブの中で、AIの発展は「人本位」の理念を堅持し、人類全体の幸せの増進を目標とし、社会の安全保障と人類の権益尊重を前提とし、AIが常に人類文明の進歩に有利な方向に発展することを確保すべきと提起した。

 対外経済貿易大学(University of International Business and Economics)デジタル経済・法律革新研究センターの張欣(Zhang Xin)主任は「AI技術のリスクには隠密性や越境性、世界性、長期性がある。資本が利益を追求する傾向は技術の暴走につながる可能性がある」と指摘した。

 中国はイニシアチブの中で、AIの発展は「知能を善に」という趣旨を堅持し、適用される国際法を順守し、平和、発展、公平、正義、民主、自由という全人類共通の価値に合致させ、テロリズムや過激勢力、多国籍犯罪組織によるAI技術の悪用や乱用を共同で防止して取り締まるべきと提起した。

 中国はAI大国だ。中国のAI中核産業の規模は5000億元(約10兆2910億円)に達した。企業数は4300社を超え、革新的な成果が次々と現れている。世界知的所有権機関(WIPO)によると、2022年に中国の企業や機関は世界のAI特許出願の40%以上を占める、約3万件を出願した。中国は同時に、AI技術の安全性、信頼性、制御性、公平性の向上に取り組んできた。

 中国はイニシアチブで、法律と規則制度を徐々に確立して、個人のプライバシーやデータの安全性を保障することを提案した。倫理先行を堅持してAIの倫理準則や規範、説明責任メカニズムを確立し、科学技術の倫理審査および監督管理制度を確立するなどだ。さらに、その際には公平性と非差別性の原則を堅持し、特定の民族、信仰、国別、性別などに対する偏見や差別などが生じないようにすべきとも主張した。

 国際通貨基金(IMF)によると、先進国はAIなどの新技術により多くの投資を行っており、富裕国と貧困国の格差が広がる可能性がある。

 中国はイニシアチブで、国はその大小、強弱、社会制度に関係なくAIを平等に発展させ、利用する権利があると指摘した。発展途上国の代表性と発言権を強化し、各国のAI発展の権利と機会の平等、ルールの平等を確保して、発展途上国向けの国際協力を展開し、「スマートギャップ」と管理能力の格差を埋めていかねばならない。

 中国現代国際関係研究院の張力(Zhang Li)研究員は、「イニシアチブは国際社会、特に多くの発展途上国のAI発展に対する普遍的な懸念と関心に応えた」と指摘した。中国はAIの管理について、多くの発展途上国を代弁して声を上げることで、世界ガバナンスの改善を推進する大国としての責任感を改めて示した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News