【12月5日 AFP】ナイジェリア北西部カドゥナ(Kaduna)州で3日、軍の無人機が村を誤爆し、少なくとも85人が死亡した。これを受けてボラ・ティヌブ(Bola Tinubu)大統領は5日、調査を命じた。

 軍は、武装勢力を狙っていた無人機の一つがツドゥンビリ(Tudun Biri)村を誤爆したと認めた。ただし、死傷者数は公表していない。

 国家緊急事態管理庁(NEMA)は、「これまでに85人が埋葬され、捜索活動が依然続いているとの報告を地元当局から受けた」と発表。さらに66人が負傷し、病院で手当てを受けているという。

 村ではこの日、イスラム教の祭りが行われており、犠牲者の多くが女性や子ども、高齢者だったとされる。

 ナイジェリアの北西・北東部では10年以上にわたりイスラム過激派との紛争が続いている。過激派掃討を目指す軍は、空爆を行うことが多い。

 住民の一人はAFPに対し、「最初の爆弾が落とされた時は家の中にいた。救助のため着弾地点に向かうと、二つ目の爆弾が投下された」と話し、おばや兄弟の妻子ら多数の親族を失ったと嘆いた。

 ナイジェリア軍は過去にも誤爆を起こし、民間人が犠牲になっている。

 2021年9月には、北東部チャド(Chad)湖で軍が漁師らを武装勢力と誤認して攻撃し、約20人が死亡。17年1月には、カメルーン国境に近い約4万人が暮らす避難民キャンプを戦闘機が攻撃し、少なくとも112人が死亡した。(c)AFP/Patrick MARKEY