【12月4日 AFP】香港の元民主活動家、周庭(アグネス・チョウ、Agnes Chow)氏は3日、SNSで、現在カナダに滞在しており、香港には戻らない考えであることを明らかにした。周氏は、香港の民主化デモへの参加を扇動した罪などで収監され、出所後も定期的に警察への出頭を求められていた。

 周氏は、中国政府が権威主義的な統治を強める香港で2012年、14年、19年に若者が起こした抗議活動の中心メンバーの一人。19年には、香港の警察本部前で行われた抗議集会への参加を扇動した罪などに問われ、約7か月間、収監された。

 釈放に当たっては定期的に警察に出頭することが義務付けられた。今年7月には、当局者に伴われて中国本土の深セン(Shenzhen)を訪れることを条件にパスポート(旅券)を返却されていた。

 27歳の誕生日を迎えたこの日、およそ2年半ぶりに沈黙を破り、留学のため9月中旬にカナダ・トロントに渡ったことを明らかにした上で、12月に予定されている次回の出頭には応じない考えを表明。

「これ以上何も強制されたくないし、中国本土に行くことも強制されたくない」「香港の情勢や自分の身の安全、心身の健康を考慮した」結果、香港には戻らないと決断したと述べた。(c)AFP