【12月2日 AFP】ギリシャ・アテネのパルテノン(Parthenon)神殿から持ち出され、現在は大英博物館(British Museum)に収蔵されている大理石彫刻をめぐって両国が対立する中、英国のチャールズ国王(King Charles III)が1日、ギリシャ国旗の柄のように見えるネクタイを着用し、臆測が広がった。

 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(Dubai)で開催されている国連(UN)気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に出席したチャールズ国王の写真が公開されると、詮索好きなインターネットユーザーの間では、同じくCOP28に出席しているリシ・スナク(Rishi Sunak)英首相に向けたメッセージではないかとの臆測が飛び交った。

 スナク氏は今週、ギリシャのキリアコス・ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相との会談を直前にキャンセル。その理由について、ミツォタキス氏が英BBCのインタビューで、彫刻の一部を大英博物館で展示し、一部をアテネに返還するのは「モナリザ(Mona Lisa)」を半分に切り分けるようなものと主張したためだと説明している。

 ギリシャメディアは、チャールズ国王の写真を一斉に取り上げた。日刊紙カティメリニは「チャールズ国王はこの問題に関する立場を表明していないが、多くの専門家は今回の動き(ネクタイ着用)を間接的な(ギリシャ)支持と見なしている」と報じた。

 一方、チャールズ国王は問題が生じる前の先週、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)大統領を迎えた際にも同じネクタイを着用していたとの指摘もある。

 チャールズ国王の父フィリップ殿下(Prince Philip)は元ギリシャ王族。(c)AFP