【12月1日 AFP】今週就任したばかりのニュージーランドのクリストファー・ラクソン(Christopher Luxon)首相は12月1日、全国の学校で携帯電話の使用を禁止すると表明した。急速に低下する識字率の改善が目的。

 同国はかつて世界最高水準の識字率を誇っていた。しかし今では、一部の専門家が教室で「危機」が起きていると表現するまで読み書きの能力が悪化している。

 ルソン氏は首相就任から100日以内に学校から携帯電話を禁止すると宣言。同様の施策は英米仏でも導入されたことがあるが、効果はばらつきが見られた。

 同氏は携帯電話の禁止により、授業が妨害されることが減り、子どもたちがより集中できるようになると主張した。「全国の学校で携帯電話を禁止する。子どもは学習、教員は教えることに集中してほしい」

 地元の慈善団体エデュケーション・ハブ(Education Hub)の研究者らは昨年、15歳の3分の1がまともに読み書きができないことが分かったとし、「識字危機」が起きていると警告した。

 ニュージーランドでは国民党を中心とする保守派の連立政権が11月27日に発足したばかり。だが、前政権が制定した2009年以降に生まれた人へのたばこ販売を禁止する法律の廃止を発表するなど、すでに物議を醸している。(c)AFP