【11月30日 AFP】砂の中を「泳ぐ」ウィントンキンモグラがこのほど、南アフリカで87年ぶりに確認された。調査担当者が28日、明らかにした。

 絶滅危機にある野生動物と生息環境保護に取り組む南アの団体EWTのエスター・マシュー(Esther Matthew)氏は、「探偵小説のような調査」の結果、砂丘でウィントンキンモグラが生息している痕跡を見つけたと説明した。

 マシュー氏によると、EWTとプレトリア大学(University of Pretoria)の調査担当者は、西部ポートノロス(Port Nolloth)の砂浜を数か月にわたって調べた。

 かわいらしい見た目のウィントンキンモグラは非常に憶病な動物で、優れた聴覚を使って近づいてくる潜在的外敵の存在を察知する。そのため、科学者によって最後に確認されたのは1936年にまでさかのぼる。

 調査では、キンモグラの穴の痕跡を調べるために探知犬を用いた。また、生息環境中のDNAを採取し、21種いるキンモグラからウィントンキンモグラの特定を試みた。100を超えるサンプルには、皮膚、毛、老廃物などが含まれていた。

 ウィントンキンモグラは、NGO「Re:wild」が2017年に作成した、長期間にわたって確認できていない動植物25種のリストにも入っていた。今回の発見により、再確認された種は11となった。

 今回の調査では、ウィントンキンモグラを含む4種のキンモグラが確認された。だが、マシュー氏によると、地域での宅地開発や鉱業により、その存在が危機に直面していることには変わりないという。(c)AFP