【12月2日 CGTN Japanese】中国南西部の雲南省麗江市と同省シャングリラ市を結ぶ鉄道がこのほど開通しました。両市は最短で1時間18分で結ばれます。省都の昆明からは大理と麗江を経由してシャングリラまで鉄道で直行できるようになりました。

 シャングリラは英国の作家ジェームズ・ヒルトンが1933年に発表した長編小説の『失われた地平線』に登場する地名で、現在では理想郷の代名詞とされています。シャングリラチベット地区は高原地区に位置し、豊富な民族文化や美しい自然風景で地上の天国と称賛されています。麗江は雲南省の古い街であり、1997年に国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の「世界遺産リスト」に登録されました。

 新たに開通した鉄道は雲南省麗江市玉龍ナシ族自治県の麗江駅と雲南省迪慶チベット族自治州シャングリラ市のシャングリラ駅を結ぶ全長139キロの路線で、設計時速は140キロで、中国の国家I級単線電化鉄道です。同路線には計13駅が設けられました。

 路線は雲貴高原と青海チベット高原の過渡地帯を通過しており、沿道には雪山、草原、森林、湖などの高原観光地があります。特に有名な観光名所としては麗江古城、拉市海、玉龍雪山、虎跳峡、ハーバー雪山、シャングリラなどがあり、「美しい雲嶺天路」とたたえられています。

 同路線は雲南省北西部から青海チベット高原の南東の周縁部にかけての山脈地帯を抜けるので、全線に橋34基、トンネル20基が建設され、路線における橋とトンネルの割合は73.4%です。また、インドプレートとユーラシアプレートの衝突帯の前線にあり、中国では地殻構造活動が最も強い地域の一つでもあります。標高2400メートルの位置にある麗江駅を出発した列車は、標高3274メートルのシャングリラ駅まで登って行くことになります。同路線は典型的な高原鉄道であり、施工建設は困難を極めたとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News