【11月28日 AFP】フィンランドのペッテリ・オルポ(Petteri Orpo)首相は27日、ロシアがフィンランドに移民を送り込み続けるのであれば、ロシア国境に残された最後の検問所を閉鎖する用意があると表明した。

 オルポ氏はヘルシンキで記者らに「すでに東部の国境の検問所を1か所を除き全て閉鎖した。必要があれば、そこも閉鎖する用意がある」と話した。

「フィンランドは欧州連合(EU)域外国境と北大西洋条約機構(NATO)の境界線を守っている。これ以上、この状況を許すことはできない」と付け加えた。

 ロシアと約1300キロの国境を接するフィンランドでは、ロシアからビザ(査証)を持たず流入する移民が急増。8月以降に入国した約800人のうち、中東やアフリカ出身者が大半を占める。

 これを受け、フィンランドはここ2週間で検問所を順次閉鎖。現在は最北部のロシア・ムルマンスク(Murmansk)州に接する検問所だけが唯一開いている。

 フィンランド当局は、ロシアがフィンランドの不安定化を図っていると指摘。オルポ氏は先週、移民流入の増加は「ロシア当局による組織的な行為」だと主張した。

 ロシアは4月、フィンランドのNATO加盟を「わが国の安全保障への攻撃」だとし、「戦術・戦略的」な対抗措置を取ると警告していた。(c)AFP