【11月26日 AFP】ニカラグア当局はこのほど、ミス・ユニバース(Miss Universe)世界大会の国内運営団体トップらを空港で一時拘束し、入国を認めなかった。理由は明らかにされていないが、今年のミスに輝いたニカラグア代表は反政権の象徴的存在と広くみられていた。

 隣国コスタリカに拠点を置く反政府系の主要紙プレンサ(電子版)によると、運営団体トップのカレン・セレベルティ(Karen Celebertti)氏と同氏の娘はマナグア空港(Managua airport)に到着した際、当局に入国を拒否され、メキシコ行きの便に搭乗させられた。

 18日に開催されたミス・ユニバース大会では、ニカラグア代表のシェイニス・パラシオス(Sheynnis Palacios)さん(23)が優勝。セレベルティ氏は各国ごとに置かれている運営団体の同国トップを務めている。

 当局にニカラグア国籍を剥奪され、現在はスペインに在住する作家、ジョコンダ・ベッリ(Gioconda Belli)氏は、セレベルティ氏がダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)大統領の妻、ロサリオ・ムリジョ(Rosario Murillo)副大統領の指示で入国が拒否されたと主張。また、マナグア市内のセレベルティ氏宅が24日に家宅捜索を受け、夫が一時拘束されたとの報道もある。

 パラシオスさんをめぐっては、2018年に国旗を手に反政府デモに参加している姿を捉えた写真が拡散している。ニカラグアでは同年以降、デモが禁止されているが、パラシオスさんのミス優勝時には、歓喜に沸く民衆が通りに繰り出した。大規模な集団行動としては、5年ぶりとなった。(c)AFP