【11月24日 AFP】オーストリア・マウトハウゼン委員会(Austrian Mauthausen Committee)は23日、ナチス・ドイツ(Nazi)総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の故郷として知られるオーストリア北部ブラウナウ(Braunau)市に対し、ナチス信奉者にちなんだ名前を冠する通り2本の改名と、ヒトラーとの関係が深かった作曲家の名誉市民の称号の剥奪を求めた。

 マウトハウゼン委員会は、1944年にオーストリア北部にあったマウトハウゼン(Mauthausen)強制収容所で対ナチスのレジスタンス・ネットワークとして立ち上げられ、同収容所でナチスが行った犯罪の記憶を継承するために活動している。

 同委員会のウィリ・メルニ(Willi Mernyi)会長は「ヒトラー生誕の地で、取り巻きの一人がいまだ名誉市民であることは信じ難い」と述べた。

 名誉市民とは、ヒトラーと同じブラウナウ生まれの作曲家ヨーゼフ・ライター(Josef Reiter、1862-1939年)のことで、メルニ氏は「総統と密接に結びついた熱烈な国民社会主義者だ」と糾弾している。

 同市にはライターともう一人、「ユダヤ人を憎悪した狂信的なナチス信奉者」とメルニ氏が呼ぶフランツ・レスル(Franz Resl)それぞれの名を冠した通りがあり、同委員会は「犠牲者に対する侮辱であり、即刻やめるべきだ」と主張している。

 AFPはブラウナウ市長室にコメントを求めたが、回答は得られていない。(c)AFP