【11月25日 Xinhua News】二十四節気の「大雪」(今年は12月7日)が近づくと、中国の大半の地域では本格的な冬を迎える。中国各地には、古くから伝わる四季折々の食習慣や、滋養に富みおなかを温めるおいしい食べ物が豊富にある。

 そんな冬の旬の味覚を紹介しよう。

 ▽腌肉(塩漬け肉)

 中国には「(二十四節気の)小雪には野菜を漬け、大雪には肉を漬ける」ということわざがある。この時期になると急激に冷え込み、空気が乾燥するため、季節ごとの食習慣に倣い、南部の江蘇省や浙江省では、醃咸肉(塩漬けの肉)や灌香腸(腸詰め)などを玄関や軒先につるす。新年を迎える縁起物でもある。

 ▽餃子(ギョーザ)と湯円(タンユェン、もち米で作った団子)

 中国の民間では古くから「(二十四節気の)冬至は新年と同じくらい大切な日」とされ、どの家庭でも厳しい寒さから身を守るために酒や食べ物を準備する。南方では湯円を食べ、北方では餃子を食べる習慣がある。寒さを吹き飛ばす意味もあるが、ふるさとを離れている人が帰省し家族と再会することを祈るという意味もある。

 ▽羊肉湯(羊肉の煮込みスープ)

 四川省の人々にとって冬至と羊肉は切り離せないもので、冬至に乳白色の香り豊かな羊肉湯を飲めなければ、1年間悔いを残すことになるという。羊肉は体を温める性質を持ち、さまざまな栄養素を含んでおり、冬の滋養強壮に適した食材で、気血を補い、内臓を温める効果がある。

 ▽菜飯(まぜご飯)

 江蘇省南京市では古くから小寒を大切にし、この時期に菜飯を食べる習慣がある。柔らかくもちもちとした香りの良いもち米に、刻んだ青菜や咸肉、香腸、さいの目に切ったアヒルの干物など、地元ならではの旬の食材をまぜ込んだもので、郷土色豊かな料理といえる。

 ▽八宝飯

 甘くもちもちした八宝飯は、大寒のころに食べる料理で、江南をはじめ全国各地で人気がある。蒸したもち米に砂糖やラード、キンモクセイのシロップをまぜ、ナツメやハトムギ、ハスの実、リュウガンの果肉などを並べた容器に盛り、蒸してからシロップをかければ出来上がり。寒さの厳しい時期に食べると、脾胃(ひい)の働きを強くし、気血を養い、心を落ち着かせる効果がある。

 ▽糖葫蘆(タンフールー、サンザシなどの果物を串に刺して水あめでコーティングした菓子)

 糖葫蘆は北方の伝統的なおやつで、冬になると街中でよく売られ、非常に人気がある。サンザシを竹串に刺して、麦芽シロップ(水あめ)をかけたものが一般的。シロップは風に当たるとすぐに固まり、パリッとした食感と甘酸っぱい味が楽しめる。

 ▽紹興黄酒

 浙江省紹興市発祥の中国の黄酒(醸造酒)は、世界三大美酒の一つで、伝統技法により、二十四節気の立冬のころに仕込みを始める。立冬から翌年の立春までの仕込みを「冬醸」といい、この時期に仕込まれた黄酒は自然の力によってより芳醇(ほうじゅん)になる。

 ▽焼き甘栗

 冬は栗を味わう季節。焼き甘栗は、栗を麦芽糖と植物油で炒めたもので、北京や天津一帯の伝統的なおやつとして知られる。焦げ茶色で光沢があり、パリッとした皮はむきやすく、甘くて香ばしい。脾胃の働きを強くするほか、血行を良くし、むくみを取る効果がある。

 ▽凍梨(冷凍ナシ)

 中国東北部では、ナシを氷点下の屋外に置き、一晩寒風にさらして、霜の付いた凍梨を作る。室温で冷水に30分以上さらして解凍し、表面に薄い氷の膜ができれば食べられる。雪のように白く柔らかい果肉に甘く冷たい果汁がたっぷり詰まった凍梨は、体の芯まで染み渡るほどの美味しさで、暖房の効いた室内で「潤いを求める」には打って付けといえる。(c)Xinhua News/AFPBB News