【11月23日 AFP】アイスランド当局は22日、南西部の町グリンダビク(Grindavik)で火山噴火が起きた場合、水を使って溶岩を食い止めることを検討していると明らかにした。

 グリンダビクでは地下でマグマが広がり、数百回の地震が発生。今月11日には火山噴火の可能性があるとして、住民に避難指示が出された。

 アイスランドの気象当局は22日夜、マグマの流れや地震活動が減っていることから、噴火の可能性は「日に日に低下しており、現在は低い状況だと考えられる」と発表した。

 当局は、グリニッジ標準時(GMT)23日午前11時(日本時間同午後8時)に非常事態宣言を解除し、近日中にグリンダビク住民に自宅への一時帰還を認めるとしている。

 防災当局のトップは記者らに、「グリンダビクの町と重要なインフラを守るために、大量の水を注いで溶岩を冷ます」方法の実行可能性を専門家らが評価すると話した。

 この方法は、1973年にヘイマエイ(Heimaey)島の町の中心部からわずか150メートル離れた場所で地面が裂け、溶岩が流出した際に実行された。この時は溶岩の動きを遅らせ、流れを制御することに成功した。

 レイキャネース半島(Reykjanes Peninsula)南部に位置するグリンダビクは人口約4000人の漁業の町。近くには、半島全体の住民3万人に電気と水を供給するスバルツェンギ(Svartsengi)地熱発電所や貯水池がある。

 当局は、噴火に備えスバルツェンギ発電所の周囲に保護壁の建設を行っている。(c)AFP