【11月23日 AFP】オランダで22日、下院(定数150)総選挙の投開票があり、反イスラムの極右・自由党(PVV)が第1党に躍進する見込みとなった。同党は欧州連合(EU)離脱を主張しており、EU域内外にも混乱をもたらす恐れが出てきた。

 出口調査によると、PVVは35議席を獲得。左派連合が25議席と続き、与党の中道右派・自由民主党(VVD)は24議席と、第3党に転落する見通し。

 勝利を確実にしたPVVのヘルト・ウィルダース(Geert Wilders)党首は、「もはやPVVを無視することはできない」と宣言。他党に連立政権樹立に向け協力を呼び掛けた。

 ただ、主要政党はこれまで、PVV主導の連立への参加意思を否定。20議席を獲得する見込みの中道・新社会契約党(NSC)のピーター・オムジヒト(Pieter Omtzigt)党首は参加に前向きな姿勢も見せているが、協議は「容易ではない」だろうと語っている。

 ウィルダース氏は髪型もさることながら、移民やイスラム教徒を標的にした過激発言から、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領になぞらえられている。

 かつてイスラム教の聖典コーランを、ナチス・ドイツ(Nazi)総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の著書「わが闘争(Mein Kampf)」と同一視する発言で物議をかもしたこともある。マニフェスト(政権公約)では「オランダ・ファースト(オランダ第一主義)」を掲げ、EU離脱の是非をめぐる国民投票の実施を提唱している。(c)AFP/Richard Carter with Jan Hennop in Enschede