【11月23日 AFP】インドネシア・アチェ(Aceh)州で22日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の難民219人が浜辺で身を寄せ合って一夜を明かした。木造船で2週間漂流していたという。地元住民は難民を海に押し返そうとしたが、当局がこれを阻止した。

 スマトラ(Sumatra)島北端に位置するアチェ州沿岸には、先週だけで1000人以上のロヒンギャ難民が到着している。

 バングラデシュの難民キャンプから毎年何千人ものロヒンギャ難民がマレーシアやインドネシアを目指して船に乗る。

 男性72人、女性91人、子ども56人の計219人が乗った難民船は21日午後11時ごろにアチェ州サバン(Sabang)に着いた。

 だが、現地住民は難民の受け入れを拒否し、海に押し戻すと脅した。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、地元当局はその後、難民を22日にアチェ最大都市ロクスマウェ(Lhokseumawe)にある収容所に移送する事に合意した。

 難民の一人、アブドゥル・ラフマンさん(15)は、一団はバングラデシュを出た後、15日間を海上で過ごしたと話した。船のエンジンが損傷し、どこにも行けなくなったという。

 UNHCRによると、先週だけでアチェの住民がバングラデシュから来たロヒンギャ難民の船を海に押し返そうとした事例が3件起きている。

 数十年にわたる紛争の記憶が残るアチェの人々は、ロヒンギャの窮状に同情的な人も多い。

 だが、ロヒンギャが貴重な資源を消費し、地元住民と対立することもしばしばあり、地元の忍耐力が試されていたと指摘する声もある。(c)AFP/Chaideer Mahyuddin with Marchio Gorbiano in Jakarta