【11月22日 AFP】ベトナムでこのほど、密輸されたとみられるワラビー4頭が保護センターへ移送された。専門家の間では、珍しいペットの取引規制強化を求める声が上がっている。

 先週初め、本来ベトナムに生息しないはずのワラビーが、中国と国境を接するカオバン(Cao Bang)省で飛び跳ねているのが目撃された。

 国営ニュースサイト「VNExpress」は、ワラビーは密売人によってオーストラリアから持ち込まれたと伝えた。

 野生動物の密売に詳しい専門家によると、今回保護されたワラビーは、珍しいペットの取引が盛んな中国に輸出される予定だった可能性が高い。

 意図的に放されたのか、逃げ出したのかは不明。

 ワラビーは17日、ラオカイ(Lao Cai)省のホアンリエン保護センター(Hoang Lien Rescue and Conservation Centre)に移送された。雄3頭と雌1頭で、体重8~9キロ。いずれも健康状態は良好だという。

 保護センターのラ・バン・トイ(La Van Toi)所長はAFPに「センター到着後、ワラビーは屋内と屋外の半野生環境下で飼育される」と述べた。

 ENVワイルドライフ・コンサベーション・トラスト(ENV Wildlife Conservation Trust)のダグ・ヘンドリー(Doug Hendrie)氏は、カオバン省でワラビーが発見されるのは今年2度目だと指摘した。

 ヘンドリー氏はAFPに「どちらのケースも中国向けの珍しい動物の密輸に関連していると考えられる。(ワラビーは)ある程度良いペットになり得る上、人なれする」と述べた。

 映像は保護されたワラビー、16日撮影・提供。(c)AFP