【11月21日 AFP】イランが支援するイエメンの反政府勢力フーシ派(Huthi)は19日、紅海(Red Sea)で拿捕(だほ)した船舶の所有者はイスラエルの実業家だと主張した。また、フーシ派が拿捕したと主張する船舶の映像も公開された。

 フーシ派のヤヒヤ・サリー(Yahya Saree)報道官はX(旧ツイッター)で、「イスラエル船を拿捕し、イエメン沿岸に移動させた」と発表。「(パレスチナ自治区)ガザ地区(Gaza Strip)への侵略と、ガザおよびヨルダン川西岸(West Bank)にいるパレスチナ人同胞に対する忌むべき犯罪に終止符が打たれるまで、わが勢力は敵であるイスラエルへの軍事作戦を継続する」と主張した。

 海上警備会社アンブリー(Ambrey)は、「同自動車運搬船のグループオーナーとして登録されているのはレイ・カー・キャリアーズ(Ray Car Carriers)」で、親会社の創業者はイスラエルの実業家だとしている。

 日本郵船(NYK Line)の広報はAFPに対し、船は同社が運航するバハマ船籍の「ギャラクシー・リーダー(Galaxy Leader)」だと認めた。一方で、「船舶の権利問題は非常に複雑なため、現在の所有会社については確認中だ」と説明した。

 同船の拿捕について、松野博一(Hirokazu Matsuno)官房長官は「政府として断固非難する」と述べた。

 一方のイスラエル軍は、同国の船舶ではないと強調している。ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相も、「英企業が所有し、日本企業が運航している船舶がイランの手引きでイエメンのフーシ派に乗っ取られた」と説明した上で、「ウクライナ人やブルガリア人、フィリピン人、メキシコ人などさまざまな国籍の25人が乗っている」として、「国際船舶に対するイランの攻撃」を非難した。

 米軍関係者は、同船の拿捕は「甚だしい国際法違反だ」と指摘。「同船と乗組員の即時解放を要求する」とし、同盟国や国連(UN)のパートナー諸国と協議するとの考えを示した。

 映像はフーシ派傘下のアンサルラ・メディアセンター(Ansarullah Media Center)より提供。(c)AFP