【11月18日 AFP】ドーピング違反で来年8月まで資格停止処分を科されている陸上、男子競歩の元五輪王者アレックス・シュバーツァー(Alex Schwazer、イタリア)が、2024年パリ五輪に出場する最後の望みを絶たれたことを明らかにした。

 現在38歳のシュバーツァーは、リアリティーTV番組で「2年を経て(世界反ドーピング機関<WADA>による)決定が下り、それは自分に有利なものではなかった。本当に残念だ。なぜなら、これは中立的なものではないからだ」と述べ、「この数日のうちに、この決定に関して次のステップを検討するつもりだ」と続けた。

 シュバーツァーは2016年リオデジャネイロ五輪を控えた検査でアナボリックステロイドの陽性が判明し、8年間の資格停止処分を受けたが、不正操作の犠牲になったと主張していた。

 2016年1月1日に採取された同選手の検体は、当初は陰性結果が出ていたものの、同年5月に実施された2回目の分析では禁止薬物の痕跡が見つかった。

 これを受け、シュバーツァーの地元であるイタリア南チロル(South Tyrol)の都市ボルツァーノ(Bolzano)の捜査判事は、同選手の刑事訴訟手続きを開始。その後、検察が不起訴にすると、判事は検体に混入物があったと断定し、2021年2月にシュバーツァーが潔白であると判断した。2021年の東京五輪出場に道が開かれたことを受けて シュバーツァーはスイス連邦裁判所に復帰を求めて訴えたが、これは退けられていた。

 それ以前にも、2012年ロンドン五輪の予選大会で赤血球の産生を促進するエリスロポエチン(EPO)に陽性反応を示したシュバーツァー、3年半の出場停止処分を科されている。(c)AFP