【11月14日 AFP】イラクのテレビ局は13日、9か月前にバグダッドで拉致されたイスラエル系ロシア人研究者、エリザベス・ツルコフ(Elizabeth Tsurkov)さんの動画を放送した。ツルコフさんの生死に関する情報が出たのは今回が初めて。

 イスラエル当局は7月、3月から行方不明になっていた米プリンストン大学(Princeton University)の博士課程の学生で、シンクタンク「ニューラインズ・インスティテュート・フォー・ストラテジー・アンド・ポリシー(New Lines Institute for Strategy and Policy)」のフェローだったツルコフさんが拉致されたと断定した。

 イスラエル首相府はカタイブ・ヒズボラ(Kataeb Hezbollah)の犯行だと主張したが、カタイブ・ヒズボラは関与していないことをほのめかしている。

 アルラビア・テレビ(Al Rabiaa TV)が放映した動画は1分余り。黒いシャツを着たツルコフさんはヘブライ語で話している。動画はイラクを拠点にする親イラン武装組織のテレグラム(Telegram)チャンネルにも投稿された。

 AFPは動画の真偽について確認できていない。また撮影された日時や場所、発言が強制されたかどうかも判断することは不可能だった。

 動画について、ツルコフさんの家族とイスラエル当局はコメントしていない。

 ツルコフさんは動画の中で、先月7日に始まったイスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)との紛争に触れ、7か月間拘束されていると述べた。しかし、誰によってどこに拘束されているかについては話さなかった。

 シリアとイラクでイスラエルと米国の情報機関のために働いていたとし、自分の解放のための努力がなされていないとも訴えた。(c)AFP