【11月14日 AFP】サッカー元イングランド代表で、同国プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)で活躍したボビー・チャールトン(Bobby Charlton)氏の葬儀が13日、英マンチェスターで執り行われ、同クラブのアレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)元監督やウィリアム英皇太子(Prince William)らが参列した。

 母国開催となった1966年のW杯(World Cup)で優勝に貢献するなどし、イングランド史上最高の選手の一人とされるチャールトン氏は、介護福祉施設での転倒が原因で、10月21日に86歳で亡くなった。

 会場のマンチェスター大聖堂(Manchester Cathedral)へ向かう葬列がユナイテッドの本拠地オールド・トラフォード(Old Trafford)を通り過ぎる際には、沿道に集まった大勢の人々が温かい拍手を送ったり横断幕を掲げたりし、チャールトン氏に最後の別れを告げた。

 葬儀にはファーガソン氏やイングランド代表のギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督、イングランドサッカー協会(FA)の総裁を務めるウィリアム皇太子、現役や引退した選手ら約1000人が参列した。

 ファーガソン氏は、自身のユナイテッド監督就任時に重要な役割を果たしたチャールトン氏について、「素晴らしく、謙虚な人物だった。ボビー・チャールトン氏がいたおかげで、私はマンチェスター・ユナイテッドにいられた」と感謝。ユナイテッドに数々のトロフィーをもたらした26年間にわたる在任期間中も「頼りになる」存在だったと話した。

 チャールトン氏は1956年にデビューしたユナイテッドで、公式戦758試合に出場して249ゴールを積み重ねた。二つの記録はそれぞれライアン・ギグス(Ryan Giggs)とウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)に抜かれるまで、長年クラブの最多記録だった。ユナイテッドではリーグ優勝3回とFAカップ(FA Cup)制覇1回を経験。イングランド代表では通算106試合に出場して49ゴールを決めた。

 1958年にはユナイテッドのチームメート8人が犠牲になった飛行機事故「ミュンヘンの悲劇」で生き残り、1966年にバロンドール(Ballon d'Or、当時の欧州最優秀選手賞)に輝くと、事故から10年後の1968年には、ユナイテッドでイングランド勢初のヨーロッパチャンピオンズカップ(European Cup)優勝に貢献した。

 引退後の1984年には取締役としてユナイテッドに復帰し、晩年まで大きな影響力を保持していた。2020年に認知症と診断されたことが公表され、その後は試合に姿を現すことはなかった。(c)AFP