【11月9日 AFP】スーダンでは、国連(UN)がダルフール(Darfur)地方での正規軍と準軍事組織の戦闘の激化に警鐘を鳴らす中、首都ハルツームの一部地区の路上に遺体が散乱している。

 ハルツームのナイル(Nile)川対岸に位置するオムドゥルマン(Omdurman)在住の女性は9日、AFPの電話取材に応え、「きのう戦闘があり、軍服を着た遺体が中心部の路上に転がっている」と話した。

 この証言は、他の目撃者の証言でも確認されている。

 別の目撃者は、域内に唯一開院していたオムドゥルマン北部のナウ(Al-Nau)病院に砲弾が当たり、勤務していた女性が死亡したと話した。

 スーダンでは4月、軍が主導する統治評議会議長のトップ、アブドルファタハ・ブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)国軍最高司令官と、同副議長で準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」司令官のムハンマド・ハムダン・ダガロ(Mohamed Hamdan Daglo)氏が衝突。

 ハルツームとその周辺、広大な西部ダルフール地方で激しい戦闘が続いている。

 RSFは一つの主要都市を除いてダルフール地方全域を掌握している。

 現地では通信が切断されており、RSFの前進により民族的理由に基づく大量殺人が発生する懸念が高まっている。

 米NGO「武力紛争地域事件データプロジェクト(ACLED)」は、4月の衝突開始以降の死者は少なく見積もって1万人以上としている。(c)AFP