【11月9日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は8日、米製薬大手イーライリリー(Eli Lilly)の肥満症治療薬「ゼップバウンド(Zepbound)」を承認したと発表した。米国では数週間以内に市販される見込みで、大きな売れ行きが期待されている。

 米国では成人の約70%が肥満か過体重に相当し、心血管系疾患リスクを軽減するために、食事や運動による5~10%の減量が推奨されている。

 ゼップバウンドは週1回の注射で投与する。高血圧、2型糖尿病、高コレステロールなど少なくとも一つの体重関連疾患を有する肥満または過体重の人を適用対象としている。

 成人2500人以上を対象に食事療法や運動を加えた臨床試験(試験開始時の平均体重は105キロ)では、ゼップバウンドを服用した被験者は服用可能な最高用量で平均約22キロの減量がみられた。最低用量でも平均約15キロ減少した。プラセボ(偽薬)を服用した被験者の体重減少は3キロ程度だった。

 FDAによるとゼップバウンドの既知の副作用には、吐き気、下痢、嘔吐(おうと)、便秘、腹部の不快感や痛み、注入部位反応、倦怠(けんたい)感、アレルギー反応、げっぷ、脱毛、胃食道逆流症などがある。(c)AFP/Issam AHMED