【11月7日 AFP】ポーランドで6日、運送事業者数十人がウクライナとの主要な国境検問所3か所をトラックで封鎖し、抗議デモを行った。ウクライナから競合他社が多数流入し、不当な競争を強いられていると主張している。ただしウクライナ当局によると、これまでのところポーランド側から正式要請は入っていないという。

 ドロフスク(Dorohusk)検問所に続く主要道路では、蛍光色の安全ベストを着たデモ参加者がトラックを路上に止めたまま運転席から立ち去り、実質的に道路を封鎖した。

 トラックには、デモ参加者の要求が書かれた幕が掲げられており、リストの最上位には、ウクライナの競合事業者に対する許可制度の復活と記されている。

 ロシアによるウクライナ侵攻開始後、欧州連合(EU)は、それまで域内に入るウクライナの運送事業者に求めていた許可取得を免除した。 

 ウクライナに隣接するEU加盟国のポーランドの運送事業者は、この規制緩和によりウクライナの事業者が流入し、収入が減っていると訴えている。

 これについてウクライナ復興当局は7日、「きょうの時点で、ウクライナ側のどの代表機関にも、ポーランドの運送事業者から正式な要請は届いていない」と明かした。

 運送事業者が許可制度の復活を求めていることは理解しているものの、「報道とソーシャルメディアの情報」をつなぎ合わせて把握しているにすぎず、「ポーランド側から正式かつ合理的な見解」が示されれば、ウクライナ側にも建設的な対話を行う用意があると説明した。

 ポーランドは侵攻を受けるウクライナを支援し、武器の供与や難民の受け入れを行ってきたが、両国関係は数か月前から、ウクライナ産の穀物輸出の問題などをめぐり悪化している。(c)AFP