【11月7日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)との境界付近に派遣されているイスラエル兵は、自国の防衛に携われることを誇りに感じる一方で、激化する紛争への不安を抱えている。

 住民が避難し、現在は無人のキブツ(生活共同体)に駐留する兵士(20)は、ガザ内への出動命令を待つ身として「少し怖い」「生きて帰って来られるか分からない」と語った。

 ガザ内に入った部隊の後方に控える兵士の多くは、徴兵された18~21歳の若者だ。

 このキブツは、ガザとの境界から2キロと離れておらず、戦闘音が大きくはっきり聞こえる。

 半年前に3年間の兵役が始まったばかりだというこの兵士は、いずれ命令を受ける可能性のあるガザ内への出動について、「われわれはやらなければならないことをやるだけだが、あそこは恐ろしい場所だ」と吐露した。

 イスラエル軍によると、先月27日のガザへの地上侵攻開始以来、少なくとも30人の兵士が同地区内で死亡した。

 ガザを実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)は、ガザに入ったイスラエル兵は「黒い袋に入った状態」で出ていくことになると警告している。

 別のキブツに駐留している、8か月前に徴兵されたという兵士(19)は「兵士であることを誇らしく思う」と述べた。

 この日は、両親と祖父母、きょうだい、おじが食べ物を腕いっぱいに抱え、飼い犬も連れてテルアビブから面会に来ていた。その間に1度、大きな爆音が響いた。ガザ側から発射されたロケット弾が迎撃された音だった。

 母親は、「息子を誇りに思うが、怖い。ガザに行かなくて済むことを願っている」と口にしてすぐに、「でも、この子が行かなければ誰が行くのか」と思い直したように自問し、「軍がなければ、イスラエルという国も存在しない」と語った。(c)AFP/Caroline Taix