【11月11日 CGTN Japanese】上海在住の王栄明(Wang Rongming)さんは今年64歳です。22年前に歩く力を失った彼はこのほど、12年前に始めた長距離走で41回目となるフルマラソン完走を果たしました。彼のランニングをめぐるストーリーは多くの人の励ましになっています。

 王さんは2001年10月にクモ膜下出血を患い、救急病院に運ばれ、意識不明の状態が7日間続きました。その後、長いこと寝たきりだったため、両足の筋肉が衰えて歩くことができず、身の回りのこともできなくなりました。王さんは大きなショックを受けてかなり落ち込んでいましたが、この絶望的な状態から抜け出すために、再び歩く練習を始めました。長くつなげた木のベンチにつかまってよろよろ歩くことから始め、徐々に何にもつかまらずにゆっくり歩くことができるようになりました。毎日のたゆまぬ練習の結果、王さんはようやく2、3キロの道を歩けるようになりました。

 脳出血を患ってから11年目の2012年、王さんは10キロ走を完走できるようになり、その翌年、42.195キロの上海マラソンを初めて完走しました。

 ランニング好きな高齢者を中心に記録した動画を発信するブロガーが以前に王栄明さんのランニング体験動画を投稿して多くのネットユーザーの注目を集め、さらにその投稿が各メディアに転載されたことで、王さんはソーシャルメディアの検索で人気を集めたこともあります。

 長距離走を長年続ける中で、王さんは体を鍛えるだけでなく友人も得ました。王さんが2年前に62歳を迎えた誕生日には、彼が参加している「出会い」という名の「ランニンググループ」が彼のために、メンバーが交代で王さんに伴走し、一緒に62キロを走りきるという特別な誕生会を企画しました。

 王さんは「走るのが好きなのは、走っているうちに手を差し伸べて応援してくれる人がいるから。その感じがとてもいいんだよ」と語っています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News