【11月7日 AFP】イタリアは6日、英国で治療の継続をめぐり法廷闘争となっている生後8か月の女児に国籍を付与した。

 英イングランド中部ノッティンガム(Nottingham)で2月24日に誕生したインディ・グレゴリー(Indi Gregory)ちゃんは、細胞内でエネルギーを生成できない難病「ミトコンドリア病」を患っている。国営の国民保健サービス(NHS)は治療法がないとし、医師らは生命維持管理装置を外すべきだとしている。

 両親のディーン・グレゴリー(Dean Gregory)さんとクレア・スタニフォース(Claire Staniforth)さんは、治療を申し出た伊ローマにある教皇庁(バチカン)が所有する小児病院への移送を望んでいる。

 だが、高等法院は先週、イタリアへの移送はインディちゃんにとって最大の利益とはならないとし、これを認めない判断を下した。医師らは治療の継続は苦痛を与え、効果もないとしている。

 ロンドンの控訴院とフランス・ストラスブール(Strasbourg)の欧州人権裁判所(ECHR)は介入しないとしている。

 イタリアのジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)首相は7日、インディちゃんの生命維持管理装置の停止が法的に可能となる期限まで1時間を切る中、インディちゃんにイタリア国籍付与するための閣僚会議を開催した。

 法的にはグリニッジ標準時(GMT)6日午後13時に生命維持装置の停止が可能となるが、まだ実施されてはいない。

 メローニ氏はソーシャルメディアに「幼いインディを救える望みは薄いというが、彼女の命を守るため、そして母親と父親が彼女のためにできることをすべて行う権利を守るため、私は最後まで自分にできることをする」と投稿した。

 父親のディーンさんは支援団体を通じて、イタリア政府に感謝するコメントを出した。

 一方、今回の国籍付与がインディちゃんの状況にどう影響するかは現時点では不明だ。(c)AFP