【11月6日 AFP】ベトナム・ハノイの北に位置するタイグエン(Thai Nguyen)市で、閉鎖された食肉加工場から犬44匹が動物愛護団体に引き渡された。生後わずか10日の子犬も含まれていた。

 ベトナムでは、犬肉を食べると悪運を落とすことができると信じられ、珍味とされている。国内で年間500万匹が食用にするため殺されていると推定され、中国に次いで世界2位の消費国となっている。

 しかし、ペットとして飼われることが増えるにつれ、特に都会では犬肉を食べる習慣は徐々に変わってきている。

 キエウ・ベト・フンさん(39)は、7年間経営していた犬の食肉加工場を閉め、金属くず商と肥料販売を始めることにした。そのため、動物愛護団体に犬を引き取ってもらった。同団体が新しい飼い主を探してくれる予定だ。

 フンさんはAFPに対し、「犬を殺す時はかわいそうに思っていた」と話した。7年間で2万匹を殺した。その多くは、田舎で収入の足しにしようと望む人々が子犬から育てたものを買い取ったという。

 またフンさんの施設には、1~2か月当たり約50匹の子犬が業者から持ち込まれていた。

 動物愛護団体「ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル(HIS)」によると、フンさんの施設では、犬を汚いおりに入れ、数週間から数か月かけて太らせてから殺していた。

 同団体によると、ベトナムで食肉にされるのは盗んだペットや、毒入りの餌やテーザー銃などを使って捕獲された野良犬だ。また、カンボジアなど近隣諸国から輸入されることもあるという。

 映像は3日撮影。(c)AFP