【11月4日 AFP】陸上競技の不正防止機関「アスレチックス・インテグリティ・ユニット(AIU)」は3日、ドーピング違反があったとして女子3000メートル障害の前世界女王ノラ・ジェルト(Norah Jeruto、カザフスタン)に科していた暫定資格停止処分を即時解除すると発表した。

 ケニア出身で2022年1月からカザフスタン代表として競技に臨んでいるジェルトは、生体パスポートに異常が確認され、「禁止されている物質や方法を使用した」疑いがあるとして、4月に暫定処分を科されていた。

 専門のチームが全会一致で同意する場合は、陽性の検査結果がなくても生体パスポートだけで選手を処分することができるが、今回のケースで指摘された異常は血液ドーピングがあったと結論づけるには不十分だとAIUは判断。証拠不十分として「全ての嫌疑を取り消し」、暫定資格処分の「即時」解除を決めた。

 ジェルト本人とジェルト側の医師は、生体パスポートに異常が出た要因について、腹部の潰瘍と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を患ったことが考えられると主張していた。

 ジェルトは暫定処分により、連覇が懸かった今年の第19回世界陸上ブダペスト大会(World Athletics Championships Budapest 2023)に出られなかった。(c)AFP