【11月2日 AFP】世界屈指の曲技飛行隊、英空軍の「レッドアローズ(Red Arrows)」で、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)やいじめが「まん延し、常態化していた」とする調査結果が1日、公表された。

 レッドアローズは毎年数多くの展示飛行を行っており、昨年5月のチャールズ国王(King Charles III)の戴冠式でも空に赤、白、青の軌跡を描いた。

 しかし調査報告によると、レッドアローズ内では主に女性隊員に向けたハラスメントが横行し、「威圧的、敵対的、軽蔑的、屈辱的、攻撃的な環境」となっていた。中には女性隊員が、隊あるいは個人の「所有物」として扱われたケースもあったという。

 女性隊員は自衛のために「シャーク・ウオッチ」と名付けたグループを結成し、社交の場などでの一部の男性隊員を寄せ付けないようにしていた。

 報告書は、誤った忠誠心と同僚のキャリアを台無しにすることへの恐れが、有害な文化を存続させる原因となったと批判。女性隊員は望まない身体接触や性的なテキストメッセージ、外見への言及、性交の誘いなどへの対処を強いられていた可能性が高いとも指摘した。

 英空軍参謀長のリチャード・ナイトン(Richard Knighton)大将は調査結果に「がくぜんとした」と述べ、謝罪を表明。

「(報告書は)調査期間中に容認しがたい行動がまん延し、常態化していたことを示す」もので、「目撃者が証言している行動は英空軍のいずこであっても許されるものではない」と非難した。

 さらに「多くの隊員に対し、除隊を含む処分が下された」「わが軍で最も注目を浴びる部隊の一つに対する国民の信頼回復に全力を注いでいく」と述べた。(c)AFP