【11月3日 AFP】フランスで、世界最大級のビデオゲームコレクションを収蔵する博物館を開設する「オデッセイ・プロジェクト(Odyssey Project)」が進行中だ。

 プロジェクト名は、1972年にマグナボックス(Magnavox)が発売した世界初の家庭用ゲーム機「オデッセイ(Odyssey)」にちなんでいる。

 ディズニーランド・パリ(Disneyland Paris)のそばに開設予定の博物館は、ゲームコレクターのリュドビク・シャルル(Ludovic Charles)さん(49)とユーチューバーの「テブ(Tev)」ことブノア・テブニ(Benoit Theveny)さんが発案。館内には、日本のポップカルチャーや食を紹介する「日本村」もつくられる予定だという。

 シャルルさんは20年がかりで家庭用ゲーム機2200個を収集。任天堂(Nintendo)、セガ(Sega)、ソニー(Sony)、マイクロソフト(Microsoft)などが発売したゲーム機のありとあらゆるバージョンを所有している。

 シャルルさんはフランス南部のコレクション保管用倉庫でAFPの取材に応じ「これ以上、目的もなく棚に放置したくない」と話した。

「全種制覇を目指しつつ、最終目標は常に博物館をつくることだった」というシャルルさんは、同館でビデオゲームの進化の歴史を網羅したいと考えている。

 2人はプロジェクト実現に向け、100万ユーロ(約1億6000万円)を超える資金をクラウドファンディングですでに調達している。

 東京在住のテブニさんは、博物館の方針として、「マインクラフト(Minecraft)で遊ぶ3歳児から、最初期にポン(Pongs、卓球ゲーム)に興じた50~60代まで」誰でも楽しめる施設にすることを挙げた。

 フランスではこれまでにもビデオゲーム文化に焦点を当てた博物館が作られてきたが、受難が続いている。ストラスブール郊外のピクセル博物館(Pixel Museum)は開館から3年後の2020年に閉鎖され、またパリ近郊のオフィス街ラデファンス(La Defense)に設けられた博物館は、わずか10日で幕を閉じた。

 テブニさんは先人の「挑戦から学んだ」と強調。建設予定地のパリ東郊ビュシーサンジョルジュ(Bussy-Saint-Georges)町長はeスポーツ計画にも取り組んでおり、全面的な協力を取り付けているという。館内にはeスポーツを紹介するコーナーも設けられる予定だ。

 シャルルさんとテブニさんは、2025年中に着工し、翌26年の開館を目指している。(c)AFP/Quentin TYBERGHIEN, and Mathias CENA in Tokyo