【10月31日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)に拉致された、ドイツ系イスラエル人のシャニ・ルーク(Shani Louk)さん(23)が死亡していたことが分かった。イスラエル外務省が30日、発表した。

 シャニさんはハマスがイスラエルに越境攻撃を仕掛けた7日、ガザ地区にほど近い南部の砂漠で行われていた音楽祭に参加していた。

 独外務省はX(旧ツイッター)でシャニさんの死を発表。「心が引き裂かれる」「ハマスによって音楽祭から拉致され、拷問され、ガザ地区を引き回されたシャニさんは計り知れない恐怖を味わった」と投稿した。

 インターネットでは襲撃後まもなく、ガザ地区でピックアップトラックの荷台に意識のない若い女性が半裸でうつぶせに横たわっている動画が拡散された。周りには武装した男も複数乗っていた。

 シャニさんの家族は、ドレッドヘアの髪の束と特徴的なタトゥーから、この女性がシャニさんだと訴えていた。

 シャニさんの母親で、ドイツ生まれで30年前にイスラエルに移住したリカルダ・ルーク(Ricarda Louk)さんは、独メディアにイスラエル軍からシャニさんの死を伝えられたと話した。

 リカルダさんは民間放送RTL/NTVに、頭骨のDNA鑑定で身元が特定されたと説明した。

 ジャニさんの無事を願っていたが、今では襲撃があったその日に殺害されたと考えているという。

 シャニさんの死の状況についての公式発表はないが、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ(Isaac Herzog)大統領は独日刊紙ビルト(Bild)に、シャニさんの「頭骨が見つかった」と話した。(c)AFP