【10月30日 AFP】米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は29日、イスラム組織ハマス(Hamas)が実効支配するパレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)での軍事作戦を拡大しているイスラエルに対し、一般市民の保護を優先するよう要請した。ホワイトハウス(White House)が明らかにした。

 バイデン氏はベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と電話会談し、イスラエルには自国防衛の権利があるとしながら、「民間人保護を優先する国際人道法を順守した上で」権利を行使すべきだと訴えた。

 イスラエルは、ハマスによる7日の奇襲攻撃で民間人を中心に1400人が死亡したとし、ガザへの空爆と地上作戦を強化。ガザの保健当局は、死者は8000人を超え、このうち半数は子どもだとしている。

 国連(UN)はこの日、ガザにある支援物資保管庫が数千人に略奪され、小麦粉や生活必需品などが奪われたとして、「市民の秩序」が崩壊し始めていると警告した。

 バイデン氏とネタニヤフ氏との会談に先立ち、ジェイク・サリバン(Jake Sullivan)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)もCNNで、イスラエルは「合法的な軍事目標であるテロ組織のハマスと、そうではない民間人を区別するため可能な限りの手段を講じるべきだ」と強調した。

 ホワイトハウスによれば、バイデン氏はエジプトのアブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領とも協議。ガザへの支援を29日から大幅に加速・拡大することで一致した。(c)AFP/Michael Mathes