【10月29日 AFP】28日に行われたラグビーW杯フランス大会(Rugby World Cup 2023)決勝でニュージーランドが南アフリカに11-12で敗れたことについて、オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)の元選手や国内メディアからは、イエローカードやレッドカードが試合に与えた影響を嘆く意見が聞こえた。

 主将のサム・ケイン(Sam Cane)が危険なタックルで退場処分となったニュージーランドは、残り50分強を14人で戦うことを余儀なくされ、接戦の末に南アフリカに4度目の優勝を許した。

 元代表のイズラエル・ダグ(Israel Dagg)氏とジョン・カーワン(John Kirwan)氏は、判定がオールブラックスに重くのしかかったとして審判を批判。

 スポーツ専門チャンネルのスカイ・スポーツの番組に出演したダグ氏は、共にイングランド出身のウェイン・バーンズ(Wayne Barnes)主審とテレビジョンマッチオフィシャル(TMO)のトム・フォーリー(Tom Foley)氏を指し、「これはわれわれの最大の舞台だが、一部の人間によって水を差され、選手は栄光や輝きを奪い取られた」と怒り、「正直言ってうんざりしている」とコメントした。

 ケインの反則自体は重大だったとしつつ、今回のケースでは試合中の判定が南アフリカにあまりにも有利に働いたと指摘し、「微妙な場面はあったが、試合後に対応すべきだ。(ケインのタックルに)悪意はなかったし、(受けた)ジェシー・クリエル(Jesse Kriel)も大丈夫だった」と主張。開始早々に相手の脚に乗ったとしてシャノン・フリゼル(Shannon Frizell)に出されたイエローカードも不当だったと訴えた。

 カーワン氏は、後半に頭部へのタックルで南アフリカの主将シヤ・コリシ(Siya Kolisi)に出されたイエローカードはレッドに値したと主張。「サム・ケインに対して厳しすぎて泣きたい気分だ」と語り、「なぜ(コリシのイエローが)レッドに引き上げられなかったのか分からない」と疑問を呈した。

 メディアもケインの退場が試合のキーポイントになったと強調し、地元紙ニュージーランド・ヘラルドは「痛恨」の敗戦との見出しで報道。「決勝の決め手がレッドカードになることは誰も望んでいなかったはずであり、競技にとってもW杯にとっても悲しい瞬間となった」と伝えた。(c)AFP