【10月29日 AFP】28日に行われたラグビーW杯フランス大会(Rugby World Cup 2023)決勝で退場処分になったニュージーランドのサム・ケイン(Sam Cane)が、南アフリカに11-12で敗れた試合後、今回のレッドカードについて「一生引きずる」とショックをあらわにした。

 ケインはジェシー・クリエル(Jesse Kriel)へのハイタックルで最初はイエローカードを提示されたが、その後レッドカードに引き上げられた。

 母国に歴代最多となる4度目のW杯制覇をもたらすことを目指した決勝だったが、逆に南アフリカに最多4度目の優勝を許し、自身はW杯の決勝で退場した史上初の選手となってしまった。

 ケインは試合後の会見で「この大会で2か月を過ごし、頭部付近の(タックルなど)には何かしらの結果があるのは分かっていた。それが正しいか間違っているかをこの場で話すつもりはないし、もう変わらないことだ。残念ながら、一生引きずることになるだろう」と話した。

 また、「今はとても傷ついているが、そこから反撃して試合に勝つ可能性をつくったチームを非常に誇りに思う」と語り、自身の退場後の仲間の奮闘を受け止めた。

 ニュージーランドのイアン・フォスター(Ian Foster)ヘッドコーチ(HC)は、ケインにレッドカードが出された後、同様のタックルをした南アフリカのシヤ・コリシ(Siya Kolisi)のイエローカードが引き上げられなかったことに少し困惑した様子を見せていたが、「レッドカードの話はしたくない。もう仕方のないことだ」とコメント。

 隣の席でケインが肩を落とす中、「この試合やチームに対するサムの裏での貢献は、みんな見てきたと思う。彼は素晴らしい、オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)のキャプテンにふさわしい男だ」とねぎらい、「彼のことを最高に誇りに思う」と称賛した。(c)AFP/Pirate IRWIN