【10月29日 AFP】ラグビーW杯フランス大会(Rugby World Cup 2023)は28日、決勝が行われ、南アフリカが12-11でニュージーランドに競り勝ち、最多4回目の優勝を果たした。

 雨のスタッド・ド・フランス(Stade de France)で行われた試合は、決勝によくある接戦となったが、ディフェンスがものを言う展開の中でハンドレ・ポラード(Handre Pollard)がペナルティーゴール(PG)4本を決めた南アフリカが上回り、決勝トーナメントに入ってから3戦連続の1点差勝ちを収めた。

 南アフリカはこれで1995年、2007年、2019年に続く優勝。対するニュージーランドは主将のサム・ケイン(Sam Cane)が前半に退場したことが響いた。

 試合は開始わずか2分でオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)のシャノン・フリゼル(Shannon Frizell)が危険なプレーによりイエローカードをもらうと、スプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)は右膝を痛めたボンギ・ムボナンビ(Bongi Mbonambi)が交代を強いられたが、ポラードがPGを決めて先制した。

 さらに、4年前の日本大会決勝でもキックから22点を挙げたポラードが2本目のPGを決めたのに対し、ニュージーランドはケインが27分にハイタックルでイエローカード。これがテレビジョン・マッチ・オフィシャル(TMO)による確認を経てレッドカードに変更され、ケインがW杯決勝で初の退場者となったオールブラックスは、残り46分を14人で戦わなければいけなくなった。

 その後はハーフタイムが近づく中で、プレッシャーをかけた南アフリカがまたしても相手の反則を誘い、ポラードの4本目のPGで加点した。しかしニュージーランドもリッチー・モウンガ(Richie Mo'unga)の2本目のPGが決まり、主将を失いながらも6-12として前半を終えた。

 迎えた後半は、58分にオールブラックスのコーナーを狙う作戦がようやく実り、ボールを回収したマーク・テレア(Mark Tele'a)が相手3人を抜いてからオフロードパス。これを拾ったボーデン・バレット(Beauden Barrett)がトライを決めた。

 しかしモウンガのタッチライン際からのコンバージョンキックは決まらず、試合が1点差ゲームの様相を呈する中で、ニュージーランドはジョーディー・バレット(Jordie Barrett)が終盤に狙った長距離のPGもポストを外れた。最後は南アフリカが残り6分間を守り切って連覇を達成した。(c)AFP/Luke PHILLIPS