【10月27日 AFP】ウクライナで爆発物処理を専門とする警察官のワレリー・オヌリさん(52)は昨年、地雷を踏んで右脚の膝から下を失った。それでも「誰かがやらなければ」と、仕事に復帰し地雷除去を続けている。

 ウクライナに侵攻したロシア軍は、一時的に支配していた地域から撤退する際に無数の地雷を残しており、その多くには処理班を殺害するためのブービートラップが仕掛けられている。ウクライナは、その地雷を除去するという果てしない課題を抱えている。

 東部ドニプロペトロウシク(Dnipropetrovsk)州出身のオヌリさんは昨年11月、南部ヘルソン(Kherson)州で狭い場所に設置された対戦車地雷の信管を外す準備をしていた時に対人地雷を踏み、負傷した。

「地雷の下にはブービートラップがあることが多い。侵攻初期には処理中に大勢が命を落とした」とオヌリさん。「今では当然、やり方を少し変えている。例えば、複数の地雷が一列に並んでいれば、少なくともそのうちの幾つかはブービートラップだと分かっているから」

 現在、東部ハルキウ(Kharkiv)州でオヌリさんと一緒に作業に当たっているアンドリー・イルキウさんも、昨年9月、同州内で地雷除去中に負傷し、左脚を失った。

 移動に若干支障があると言う二人だが、義足を見せなければ、他の作業員と目立った違いはない。

 二人が所属する処理班は、同州のキャベツ畑で地雷除去を進めており、回収された対戦車地雷が一か所に集められていた。

 地雷の爆発で足を失っても同じ業務に戻ったオヌリさんは、「自分は人生でこの仕事ばかりやってきた。好きなんだ。それに仲間を見捨てるわけにはいかない」と笑顔で語った。(c)AFP/Oleksandr Yanovsky