【10月27日 AFP】F1第19戦米国GP(United States Grand Prix 2023)決勝後の検査で、マシン底面のスキッドブロックが過度に摩耗していたとして失格となったメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が26日、もし全ての選手が検査を受けていれば半分の車が失格になっていたはずだと指摘し、ルールの変更を訴えた。

 22日に行われた米国GP決勝では、2位でゴールしたハミルトンと6位に入ったフェラーリ(Ferrari)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)がレース後の検査で失格となったが、検査対象となったのは優勝したレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)を含む4台のみだった。

 今週末の第20戦メキシコシティGP(Mexico City Grand Prix 2023)を控え取材に応じたハミルトンは「数台だけ検査されて、50パーセントが失格となった」とした上で、「違反していた車はもっと多かったが、検査されなかったと聞いた」と話した。

 また、スキッドブロックの摩耗はわずかに違反に当たる程度だったとし、すり減りはパフォーマンス向上を目的としたものではなく、コースの起伏や縁石が原因で生まれたものだと主張。「ルール変更の必要がある」と訴え、「あれほど素晴らしい観客が詰めかけた中で最高のレースができたのに、あのようなことで全て台無しになる」と嘆いた。

 また、今回の問題は前日に行われたスプリントレースにも一因があると指摘し、スプリントが行われるGPでは、決勝前夜のスキッドブロック変更を認めるべきだとした。

 アレクサンダー・アルボン(Alexander Albon)やエステバン・オコン(Esteban Ocon)、バルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)ら他の一部のドライバーも、無作為に数台だけ検査するのではなく全ての車両を対象とした方が公平だとするハミルトンとルクレールの意見に賛成だと話した。

 しかし、統括団体の国際自動車連盟(FIA)は、そのようなやり方は不可能だとしている。(c)AFP