【10月26日 AFP】南米ベネズエラの治安部隊は25日、首都カラカスの南西にあるトクイート(Tocuyito)刑務所をギャングから奪還した。刑務所内にはレゲトンスタジオも備え付けられており、ミュージックビデオを撮影してユーチューブに投稿していたとみられている。ギャングからの刑務所奪還は、この1か月で2件目。

 トクイート刑務所には2000人以上が収容されている。

 レミヒオ・セバジョス(Remigio Ceballos)内相は国営テレビに対し、「ベネズエラで最も多くの受刑者を収容しているトクイート刑務所を、治安部隊が完全に掌握した」と述べた。同テレビでは、収容房から出され、手錠をかけられた状態で中庭に座らされる受刑者の映像が流された。

 セバジョス氏は刑務所のそこかしこに「非常に多くの武器弾薬」が隠されていたと述べた。

 ギャング幹部の一人、ネストル・リチャーディ・セケーラ・カンポス(Nestor Richardi Sequera Campos)受刑者はユーチューブにミュージックビデオを投稿し、数十万回再生されていた。

 受刑者の権利を擁護するNGO「ベネズエラ刑務所監視団(Venezuelan Prisons Observatory)」によれば、同受刑者は殺人罪で禁錮20年を言い渡され、2018年に釈放予定だった。だが、「まるで刑務所がリゾートであるかのようにとどまることに決めた」とされる。

 NGO「自由のための窓(A Window for Freedom)」のカルロス・ニエト(Carlos Nieto)氏は、同刑務所は長年にわたり「受刑者に支配されてきた」と述べた。(c)AFP