【10月25日 CGTN Japanese】このほど発表された2023年中国胡潤百富ランキング(民間経済研究所の胡潤(ルパート・フージワーフ)研究院が毎年発表する中国富豪ランキング)は、飲料水の製造企業の「農夫山泉」創業者で、会長と社長を兼任する鐘睒睒(Zhong Shanshan)氏を中国一の富豪としました。鐘氏は69歳で資産総額が4500億元(約9兆2300億円)とされ、3年連続して中国一の富豪とされました。胡潤研究院が中国富豪ランキングの発表を始めたのは1999年で、今回は25回目でした。

 同ランキングに選ばれた企業家のうち、新たに登場した人115人を含む522人の財産が前年より増加しました。今回ランクインした人の資産の増加額は昨年よりもやや大きく、増加額が上位10位までの企業家の増加額は計4700億元(約9兆6400億円)を上回りました。一方で898人企業家の資産は昨年よりも減少または横ばいで、うち179人は同ランキングの圏外になりました。第1位から5位までの企業家にとっての資産源は工業製品、消費財、トータルヘルスケア、不動産、食品飲料の事業でした。

 中国富豪ランキングの会長兼首席調査官のルパート・フージワーフ(中国名は胡潤)氏によると、今回ランク入りした人の80%が、10年前にはランク入りしていなかったとのことです。過去1年間で資産が比較的大きく増加した企業家は主に、オンラインゲーム、半導体、ソフトウェアサービス特にセキュリティー分野、食品飲料特に飲料・飲食業を手掛ける人でした。資産が比較的大きく減少した企業家は主に、不動産、太陽光パネル産業、鉄鋼業を手掛ける人でした。

 フージワーフ氏によれば、今回のランキングで比較的好調だった企業家には、第1のグループとして世界進出を果たした企業家がいます。電子商取引プラットフォーム「拼多多」創業者の黄峥(Huang Zheng)氏、リチウム電池メーカー「寧徳時代」の社長である曽毓群(Zeng Yuqun)氏、ソフトとデータ技術サービスを手掛ける「字節跳動(ByteDance)」創業者の張一鳴(Zhang Yiming)氏、消費者向け電子機器製造の「小米(Xiaomi、シャオミ)」創業者の雷軍(Lei Jun)氏、ゲーム会社「米哈游(miHoYo)」創業者の蔡浩宇(Cai Haoyu)CEO、スマート通信設備のメーカー「華勤技術」の邱文生(Qiu Wensheng)会長です。

 次のグループは、電気自動車など新エネルギー車関連の企業家で、「吉利控股集団(ジーリー・ホールディング・グループ)」創設者の李書福(Li Shufu)氏や「理想自動車」創業者の李想(Li Xiang)氏などがいます。

 第3のグループは、オープンAI関連の事業を行った企業家で、中国版「ChatGPT(チャットGPT)」の開発で大きく伸びた「百度(バイドゥ、Baidu)」の李彦宏(Robin Li)氏、米国のコンピューターメーカーのNVIDIAの中国側パートナーである台湾企業の「広達電脳(クアンタ・コンピュータ)」の林百里(Lin Baili)会長とその家族です。

 第4のグループは娯楽産業や飲食業の回復の恩恵を受けた企業家で、「銀河娯楽」の呂志和(Lv Zhihe)会長とその家族、火鍋(中国式鍋料理)のチェーン店「海底撈」創業者の張勇(Zhang Yong)・舒萍(Shu Ping)夫妻、業務構造の調整で再生した「新東方」の兪敏洪(Yu Minhong)氏です。(c)CGTN Japanese/AFPBB News