【10月23日 AFP】イランの革命裁判所(Revolutionary Court)は22日、昨年ヒジャブ(頭部を覆うスカーフ)の着用方法をめぐる全国的な抗議デモの発端となった女性の死亡事件を報じて逮捕されていた女性記者2人にそれぞれ禁錮6年、禁錮7年の判決を言い渡した。

 イランでは昨年9月、ヒジャブの着用方法をめぐり警察に逮捕されたマフサ・アミニ(Mahsa Amini)さんが死亡した問題をきっかけに、全土で抗議デモが巻き起こった。

 シャルグ(Shargh)紙のカメラマン、ニルファ・ハメディ(Niloufar Hamedi)氏(31)は、アミニさんの搬送先の病院を訪れ、悲しみに暮れる家族の写真をソーシャルメディアに投稿した後に逮捕された。アミニさんの死後、1週間もたっていなかった。ハンミハン(Ham Mihan)紙の記者、エラーヘフ・モハンマディ(Elaheh Mohammadi)氏(36)は、抗議デモの様相を呈したアミニさんの葬儀を地元で取材した後に逮捕された。

 司法府の公式ニュースサイト「ミザン・オンライン(Mizan Online)」によると、モハンマディ氏とハメディ氏はイランと対立する米国に協力した罪でそれぞれ禁錮6年、禁錮7年を言い渡された。これ以外に、国家安全保障に対する共謀罪で禁錮5年、反イランのプロパガンダを唱えた罪でも禁錮1年をそれぞれ言い渡された。これらの刑は同時に執行されるという。

 ミザン・オンラインによると、控訴裁判所に異議を申し立てることができるが、担当弁護士は今のところコメントを発表していない。

 2人の裁判は非公開で行われた。家族や弁護士らはこれを問題視している。

「国境なき記者団(RSF)」をはじめとする国際ジャーナリスト組織も裁判に抗議し、2人の釈放を求めている。

 国内メディアによる8月の報道では、アミニさんの死をきっかけに抗議デモが広がって以来、当局が取り調べを行うか逮捕したジャーナリストは90人を超えている。(c)AFP