【10月23日 AFP】ドイツの首都ベルリンにあるブランデンブルク門(Brandenburg Gate)周辺で22日、イスラエルへの連帯を表明し、反ユダヤ主義に抗議する大規模集会が開かれた。オラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は同日、反ユダヤ主義を一掃する考えを表明した。

 集会の参加人数について、警察は約1万人としているが、主催者発表は2万5000人だった。

 これに先立ち、ショルツ氏は東部デッサウ(Dessau)でシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)の開設式典に出席し、「ドイツで反ユダヤ主義は一切容認されない」と明言。ドイツはユダヤ人の生活を「保護する」と表明するとともに、「世界中、そして恥ずべきことに、ここドイツにも」反ユダヤ主義が広がっていることに衝撃を受けていると述べた。

 イスラム組織ハマス(Hamas)による7日の越境攻撃とイスラエルの報復攻撃以来、ドイツでは、反ユダヤ主義的な事件が相次いでいる。

 ベルリンでは、ユダヤ人の住宅数軒にナチス・ドイツ(Nazi)がユダヤ人に着用させた「ダビデの星(Star of David)」の印が落書きされ、18日にはシナゴーグに火炎瓶2本が投げつけらた。

 反ユダヤ主義調査情報センター(RIAS)によると、7日から15日にかけて報告された反ユダヤ主義的な「事件」は202件に上った。

 内務省によれば、ドイツのユダヤ人コミュニティーの規模は欧州で3番目に大きい。在独ユダヤ人中央評議会(Central Council of Jews in Germany)は、信仰を実践している敬虔(けいけん)なユダヤ人は約10万人に上り、シナゴーグは約100か所ある。

 ベルリンでイスラエル支持集会に参加していた教師(60)は、「必ずしも親イスラエルの立場を取っているわけではないが、ドイツで反ユダヤ主義の風潮が強まっているのはとても心配だ」と話した。

 音楽関係の仕事をしている女性(41)は、「私たちがイスラエルへの支持を表明するのは非常に大事」だとし、「特に私たちドイツ人には特別な責任がある」と語った。

 ドイツ国内では7日以降、イスラエルだけではなくパレスチナ人を支持する大規模な集会も数回開かれている。22日には、ブランデンブルク門付近で同じくパレスチナの支持集会も予定されていたが、反ユダヤ主義と暴力行為が発生する恐れがあるとして当局は開催を禁止した。(c)AFP/Femke COLBORNE