【10月21日 AFP】重大事件を担当するロシア連邦捜査委員会(Investigative Committee)は20日、ウクライナ移民で、第2次世界大戦(World War II)時にナチス・ドイツ(Nazi)の親衛隊(SS)の一員として戦ったヤロスラフ・フンカ(Yaroslav Hunka)氏をジェノサイド(集団殺害)の罪で訴追したと発表した。同氏は先月、カナダ議会に招待され、拍手喝采されていた。

 フンカ氏が招待されたのは、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領の訪問時だった。この出来事は世界中から非難を浴び、カナダ下院議長は辞職に追い込まれた。

 連邦捜査委はフンカ氏について、「大祖国戦争(第2次世界大戦のロシア側の呼称)中にウクライナ・ソビエト社会主義共和国領内で民間人にジェノサイドを行った」と説明。

 1944年2月23~28日に他の親衛隊員と共に、Huta Pieniacka村で「ソ連の民間人を少なくとも500人」殺害し、「犠牲者の中にはユダヤ人やポーランド人もおり、人々は民家や教会で撃ち殺されたか、焼き殺された」と主張している。

 ロシアはフンカ氏に対する国際逮捕状の発付を検討するとともに、カナダとポーランド、ベラルーシに法的支援を要請している。(c)AFP