【10月20日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)加盟国とスウェーデンの在ハンガリー大使は19日、同国の首都ブダペストでハンガリーがロシアとの関係を深めていることへの懸念が高まっていることについて協議した。在ハンガリー米大使館がAFPに明かした。

 NATO加盟国であるハンガリーのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相は同日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と中国・北京で会談した。両首脳の対面での会談は、昨年2月のロシアのウクライナ侵攻開始以降初めて。オルバン首相は、ウクライナ侵攻後もロシアとの緊密な関係を維持している。

 米大使館の報道官によれば、協議の主要議題はこの首脳会談だった。

 米国のデービッド・プレスマン(David Pressman)駐ハンガリー大使は米国が出資するラジオ・フリー・ヨーロッパに対し、「ハンガリーがこのような形でプーチン氏と関わるのを選択したことは、憂慮すべきだ」と語った。

 また「プーチン氏がウクライナに仕掛けた戦争を表現する際に、オルバン首相が使った言葉も同様だ。どちらも議論に値する」と批判。

「ロシアがウクライナに侵略戦争を仕掛けているさなかに、ハンガリーの首相がプーチン大統領と会談したことをわれわれ全員が懸念している」と強調し、「安全保障上の正当な懸念があれば、同盟国に伝え、真剣に受け止めてもらうことを期待する」と付け加えた。

 一方、ハンガリーのグヤーシュ・ゲルゲイ(Gergely Gulyas)首相府長官は放送局ATVに対し、「米大使にハンガリーの外交政策を決定する権限はない。それはハンガリー政府の仕事だからだ」と語った。(c)AFP