【10月17日 AFP】フランス北部で先週、学校を襲撃し教師を刺殺した容疑者が、犯行前に撮影された動画の中で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」のために活動していると発言していたと、捜査に近い筋が17日、AFPに明らかにした。

 アラス(Arras)の学校で13日に起きた事件では、イスラム教徒が多数を占めるロシア・北カフカス(Northern Caucasus)地方出身のモハメド・モグシュコフ(Mohammed Moguchkov)容疑者(20)が、教師を刃物で刺して殺害した。

 同筋によるとモグシュコフ容疑者は、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)が7日にイスラエルに対して行った攻撃についても触れていたものの、「ごくさまつな」言及にとどまっていたという。

 アラスでの事件は、首都パリ近郊で教師が殺害された類似事件からちょうど3年を迎える矢先に発生。市民に衝撃を与えた当時同様、政府は再び警戒レベルを最高水準に引き上げ、兵士7000人を配置すると発表した。

 16日には、ベルギーの首都ブリュッセルでチュニジア出身者がスウェーデン人2人を銃撃し死亡させる事件があり、この容疑者もISから触発されたと主張している。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は翌17日、「イスラム主義のテロ」が復活すれば、どの欧州諸国も被害を受けかねないと警鐘を鳴らした。

 マクロン氏は、訪問先のアルバニアで報道陣を前に、「われわれは皆、脆弱(ぜいじゃく)性を抱えている。それは、思い立った時に最悪の行為に及ぶ決心ができる個人が存在する民主国家、法治国家にはどうしても付きまとうものだ」との認識を示した。(c)AFP