【10月9日 AFP】エジプトで8日、同国を訪れていたイスラエル人観光客グループに警察官1人が発砲し、イスラエル人2人と地元ガイドの計3人を殺害した。地元メディアが報じ、イスラエル当局も発表した。

 襲撃された観光客グループは、エジプトの地中海沿岸都市、アレクサンドリア(Alexandria)を訪問中だった。政府系の民間テレビ局エクストラニュースが治安当局筋の話として伝えたところによると、警察官は「私物の武器」をグループに「乱射」し、「直ちに逮捕された」という。

 イスラエルは、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)による大規模攻撃を受け、宣戦布告した。そうした中での事件を受け、イスラエルの国家安全保障会議(NSC)は8日、自国民に向けて、国外、特に中東地域への旅行を控えるよう呼び掛けた。また、エジプトに滞在中の旅行者については、一刻も早い出国を促した。

 国家安全保障会議は、国外でイスラエル国民を標的にした「テロ組織および個人による攻撃が誘引される恐れがある」ともしている。

 エジプト政府は、今のところコメントを発表していない。

 エジプトを訪れるイスラエル人観光客は多く、国交は正常化されているものの、エジプト国民の間では反イスラエル感情が根強い。(c)AFP