【10月6日 AFP】(更新、写真追加)ノルウェーのノーベル賞委員会(Norwegian Nobel Committee)は6日、2023年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を、イランの女性人権活動家でナルゲス・モハンマディ(Narges Mohammadi)氏(51)に授与すると発表した。同氏は現在、首都テヘランの刑務所に収監されている。

 委員会は、モハンマディ氏の「イランにおける女性の抑圧に対する闘いと、全ての人の人権と自由を擁護する闘い」を授賞理由に挙げた。

 イランでは昨年9月、マフサ・アミニ(Mahsa Amini)さんが頭髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用方法をめぐり警察に逮捕された後、死亡した問題をきっかけに、全土で抗議デモが巻き起こった。

 ジャーナリストでもあるモハンマディ氏は過去20年間、ヒジャブ着用義務および死刑の廃止を求める活動で繰り返し収監されてきた。アミニさんの死から1年となった先月16日には、同じ刑務所に収監されている女性3人と共にヒジャブを燃やした。

 ノーベル賞委員長は発表後の会見で、12月に行われる授賞式に言及し、「もしイラン当局が正しい判断をするのなら、(モハンマディ氏を)釈放するだろう。そうすれば式に出席して賞を受け取ることができる。それがわれわれが第一に願うことだ」と述べた。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)はモハンマディ氏の受賞について、報復や嫌がらせを受けながらも闘い続けるイラン人女性の勇気に敬意を表するものだとの見解を示した。

 OHCHR報道官は、本部を置くスイス・ジュネーブで記者団に対し、「イラン女性の勇気と覚悟、そして彼女たちが世界にとっていかに刺激になっているかということを改めて知らしめるものとなった」と述べた。(c)AFP