【10月6日 AFP】ロシアの「最高位シャーマン」が同国のウクライナ侵攻に祝福を与え、軍を称賛し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領を「敵」として糾弾した。国営ロシア通信が5日、報じた。

 霊界との交流などの宗教的実践とされるシャーマニズムは、シベリア(Siberia)連邦管区の先住民に広く浸透している。旧ソ連時代には厳しい弾圧を受けたが、勢いを盛り返している。

 反体制派によると、国内の最貧困地域の少数民族は、ウクライナ侵攻によって特に大きな影響を受けている。

 ロシア通信は5日、「クマの精霊(Spirit of the Bear)」と呼ばれるシャーマン集団の指導者で、ロシアの「最高位シャーマン」のカラウール・ドプチュンウール(Kara-ool Dopchun-ool)師による儀式の動画を放映した。

 動画の中の同師は儀式用の装束を身に着け、リズミカルに太鼓をたたいて呪文を唱えながら「ロシア国民の幸福、健康、繁栄」を祈っている。

 同師は儀式前のインタビューで、「ウクライナ国民が、ゼレンスキー氏はすでに自分たちの敵となっていることに気づき、もしも来年選択の機会があれば、彼の追放と新たな人物の到来によってすべてが止まるだろう」と予言した。

 同師は2018年、シベリア南部トゥワ(Tuva)共和国で初めて開催された全ロシア・シャーマン会議で、ロシアの最高位シャーマンに選ばれた。

 だが、この最高位シャーマンという地位はそれまでなかったもので、不要な官僚的ポストだという批判の声も上がっている。(c)AFP