【10月4日 AFP】米政府は3日、オピオイド系鎮痛剤フェンタニルの製造・流通をめぐり、中国の個人・団体に制裁を科した。これを受けて中国政府は4日、オピオイド系薬物の過剰摂取は「米国に根差した問題」だと反発した。

 米国では近年、合成オピオイドの過剰摂取による死者が年間数万人に達している。中でもフェンタニルとの闘いを優先課題として挙げるジョー・バイデン(Joe Biden)政権は3日、中国を拠点とするフェンタニルの製造メーカーなど25の個人・団体、およびカナダの3団体に対する制裁を発表した。

 制裁を発表したメリック・ガーランド(Merrick Garland)米司法長官は、フェンタニルの国際供給網は「しばしば中国から始まる」と発言した。

 これに反発した中国外務省は4日、「わが国はフェンタニルのような物質を世界で初めて規制している国の一つ」だと主張。

 同省はAFPの取材に対し、「米国による中国の企業や個人に対する制裁と訴追、および関連する企業・個人の正当な権利と利益に対する深刻な侵害に断固反対する」と述べるとともに、「米国のフェンタニル危機は、米国自身に根差している」と批判した。(c)AFP