【10月4日 AFP】米連邦通信委員会(FCC)は2日、古い人工衛星「EchoStar-7」を適切に軌道から離脱させなかったとして、米衛星放送企業ディッシュネットワーク(Dish Network)に15万ドル(約2240万円)の罰金を科した。宇宙ごみの処理をめぐって罰金が科されるのは初めて。

 FCCによると、ディッシュは2012年、運用高度よりも300キロ高い軌道に上昇させて衛星を引退させることで合意した。だが、燃料不足のため運用高度よりも120キロ高い軌道で引退させていた。

 FCCのLoyaan Egal執行局長は「衛星の運用が普及し、宇宙での経済活動が増す中、事業者が約束を順守していることを確認する必要がある」と述べた。

 これに対してディッシュは3日、「EchoStar-7が軌道上で危険をもたらすリスクについてFCCは具体的に明示していない」と反論。また「EchoStar-7は古い衛星であり、FCCが求める最低軌道のルールからは除外されている」とも指摘した。

 欧州宇宙機関(ESA)の推定では、地球周回軌道には1センチ以上の大きさの宇宙ゴミが約100万個存在しているという。

 昨年1月には、中国の人工衛星とのニアミスがあった。2021年には国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアームと衝突し、直径5ミリの穴が開いた。(c)AFP