【10月3日 AFP】中欧スロバキアで9月30日に行われた国民議会(一院制、定数150)選挙で、ウクライナへの軍事支援停止を公約に掲げた中道左派「スメル(道標)」が第1党となった。ただ、外務省が10月2日、ロシアが投票前に「誤情報」を流して介入したと非難したのに対し、ロシア側が反論するなど、選挙をめぐる余波は収まっていない。

 ロベルト・フィツォ(Robert Fico)元首相率いるスメルは23%(42議席)を獲得。ウクライナ支援継続を訴えた中道リベラル派「プログレッシブ・スロバキア(PS)」は18%の得票にとどまった。

 外務省は、ロシアの対外情報当局者が選挙に先立ち、PSは「米国の代理人」だとの情報を流したと主張。「こうしたロシアによる意図的な誤情報の拡散はわが国の選挙プロセスへの受け入れ難い介入」だと非難した。その上で、ロシア大使館当局者を呼び、「スロバキアを標的とする誤情報(拡散)活動をやめる」よう要請した。

 一方、ロシア側は「わが国は他国の内政に介入したり、体制転換を働き掛けたりしない」とし、選挙への影響力行使を否定した。

 フィツォ元首相は選挙キャンペーン中、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるスロバキアはウクライナに対しもはや「弾薬を一発たりとも」供与しないと主張。対ロシア関係の改善も訴えた。

 ズザナ・チャプトバ(Zuzana Caputova)大統領は2日、フィツォ氏に対し、組閣を要請した。(c)AFP