【10月2日 AFP】バングラデシュで、蚊が媒介する感染症のデング熱による今年の死者が1000人を上回り、過去最悪規模の大流行となっていることが、1日に公表された公式統計で明らかになった。

 デング熱は熱帯・亜熱帯で流行する疾患で、発熱、頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、筋肉痛などの症状を引き起こし、重度の出血により死に至ることもある。

 1日夜に公表されたバングラデシュの保健当局の統計によると、デング熱の感染症例は20万件を上回った。死者は1006人で、うち112人が15歳以下だった。

 科学者らは今年の流行について、モンスーン(雨期)の異例の降雨と高温で、蚊が繁殖しやすい条件がそろったと指摘している。

 世界保健機関(WHO)は、気候変動を背景にデング熱をはじめ、チクングンヤ熱、黄熱、ジカ熱など、蚊を媒介とする感染症が急速に拡大していると警告。テドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長も先月、バングラデシュでデング熱の感染拡大が「医療体制を逼迫(ひっぱく)している」と警鐘を鳴らしていた。(c)AFP